旅館業の方へ!僅かな投資でできる収益改善!

旅館業の方へ!僅かな投資でできる収益改善!

旅館業必見僅かな投資でできる収益改善

最近では、コロナによる業績悪化についてニュース等で触れられる機会が少なくなりました。
関心ごとと言えば、感染者数や規制、ワクチン接種などです。

そして、コロナショックから2年半経ち、多くの企業は当時の影響を乗り越えて今なお存続しているでしょう。

しかし、インバウンド需要の恩恵を受けていた業界の小規模事業者では、未だ回復に苦しむ企業が多いことも事実です。

私はいくつか宿泊業のサポートをしているので、今回はそういった古き良き日本の旅館さんのためになればと、このd-ジャーナルを投稿することを決めました。

そのため、スマートロックや受付システム等のITを駆使して、受付を無人化して収益改善する!といった、古き日本の良さが失われてしまう対策の紹介は致しませんので、あらかじめご了承ください。
やっぱり、どこか懐かしいような人との触れ合いがある中でくつろぎたいですよね。

売上確保

まずは、売上確保についてご紹介します。

宿泊施設は基本的に部屋数によって売上の上限が決まってしまうビジネスモデルです。
箱型モデルなどともいって、箱を埋めることが重要になってきます。
そのため、業界では部屋のことを在庫と呼んだりして、部屋をうまく手配すること在庫管理とも言います(業界が違うと、在庫管理と言われると初めは何のことだろうと思ってしまいますね)。

また、旅館業の中には、宿泊だけでなく会食として昼食や夕食のみの提供をしているところもあります。
今回は、宿泊を中心に記載しますが、会食を提供されている場合の注意点もありますので、注意点についても少しご紹介したいと思います。

また、新たに会食をやろう!となると、その分人件費だけでなく営業活動などが必要となりますので、どうしてもやりたい!という旅館さんがありましたら、お問い合わせなどでご相談いただきましたら、私の知るノウハウをお伝えしたいと思います。

宿泊料金の見直し

近年、宿泊サイト経由で予約獲得をしている旅館さんは多いく、また、宿泊の料金設定を繁忙期と閑散期で変えているところも多いです。
需要と供給の関係から当然と言えば当然です。

この価格設定の見直しをお勧めします。

具体的には、稼働率(部屋の埋まり具合)の悪い曜日や月の料金を少し低めに設定してみましょう。
たったそれだけです。
その分売上が安くなったとしても、1つ予約が増えれば売り上げアップにつながるくらいの料金変更で十分です。

しかし、サイトコントローラーなど予約管理をしていない旅館さんにとっては、データに基づいた稼働率を出すことが難しいことも事実です(後述しますが、サイトコントローラーを導入していない場合は、導入することをお勧めます)。

ただ、ご安心ください。

売上台帳などで売上管理はできているので、過去2年分の先3か月(今だと、9月10月11月)の売上台帳をチェックしてみてください。
できれば、すべてExcelに起こして、日にちや曜日、週、月などで、分析できればよいのですが、ざっと目で見るだけでもわかると思います。
この日、この曜日は2年間同じくして売上が低いな、という具合にです。

売上が低ければ、それだけお客様の入りが悪いということなので、料金設定を変更します。

ただ、このような対策は、本来データに基づくことがベストなので、そういう分析を可能にするためにもサイトコントローラーはおすすめです。
月額ですが、月に1件予約が入ればもとが取れる価格帯な上、在庫管理(一部)が楽になります。

宿泊サイトの見直し

宿泊サイトは予約確保のためにはとても重要です。
「じゃらん」「楽天トラベル」「Yahoo!トラベル」などです。

もし、どこか1つにしか掲載していないという旅館さんは、掲載先を増やすことをお勧めします。

これらの宿泊サイトのユーザーは違うと考えた方が良いです。
各宿泊サイトにはポイントがあるので、ある1つのサイトのみを利用してお得にポイントを貯めているユーザーが多いです。

そして、最近ではGoogle MAP上で「宿」と検索して立地からある宿を探すお客様も増えています。
この場合、日付と人数を選択すると、MAP上に料金が表示されるようになっています。
この料金は、登録している宿泊サイトの最安値が表示されるようになっています。
そして、写真なども確認できるようになっているので、Google MAPで旅館の写真が表示されているかもしっかりチェックしておくことをお勧めします。

表示される写真はネット検索で表示される写真になるので、あまり表示されない場合、Google マイビジネスに登録(無料)して写真を投稿したり、HPやSNSを通じて写真をアップするようにしてみてください。

SNSの利用

お客様により広く知ってもらうためのマーケティングになりますが、やはり今の時代SNSを避けて通ることができません。

「Twitter」や「instagram」、「facebook」など聞いたことのあるよくわからないものがいくつもありますが、よくわからない場合は「instagram」をお勧めします。

「instagram」は簡単に言うと、絵日記です。

季節感のある写真や雰囲気のある部屋の写真、スタッフの笑顔の写真、庭先に咲いた花の写真、板前が腕を振るった食事の写真など数日置きに投稿しましょう。

慣れてくると、アカウント設定でどのような人が見たのか、何人見たのか、などが分かるようになります。

わからない場合は、身近にいる年齢の若い親族に会った時にでも聞いてみてください。
きっと教えてくれるはずです。

サービス向上

次は、サービス向上についてです。

もちろん、このサービス向上も最終的な目標として売上アップがあります。

しかし、売上を上げることをスタート地点に考えてもサービス向上はうまくはいきません。

今見落としているサービス、お客様の隠れた期待に応えられていないサービスに着目して、サービス向上を図ります。

このサービス向上は本来、旅館さんによって異なる強みや特色があるので、その旅館さんに適した対策を打つことがベストです。

ただ、記事の上では、個別の記載が難しいので、いくつかの例を提示いたします。
その中で、「うちも確かにそうかもな」と思っていただける内容がありましたら、是非お取り組みいただけると嬉しい限りです。

朝食の見直し

まず、朝食メニューの見直しです。

この見直しの方向性は、満足度が上がるような季節メニューを取り入れたり、目玉メニューを作ることが大切です。

単に、ビュッフェスタイルに変更して、ミニロールパンに、他の人に取り崩され見栄えの悪くなったスクランブルエッグ、スーパーで安く売ってそうなボイルしたウインナーに、、、といった見直しでは、収益性は上がっても、顧客満足度は上がらないので、本末転倒です。

それよりも、秋なら栗の炊き込みご飯と秋野菜の味噌汁を加えることの方が、お客様としての満足度は確実に上がりますし、魅力度も上がります。

そして、こういった目玉メニューは定期的に小出しにしていくことで、朝食も手抜きしていないんだな、と思ってもらい、誘客につながります。

とはいっても、メニューが増えて調理の手間も増えて、大変そうだな~、と思われる旅館さんもあるかもしれません。

ただ、考えてみてください。
ボイラー設備や水回り、空調等の設備を変えることは大掛かりで費用も掛かりますが、朝食の見直しであれば僅かな投資で効果を得ることができます。

また、行動経済学に「ピークエンドの法則」というものがあります。
これは例えば、お客様が旅館で大きく感動した出来事と、最後、つまりはチェックアウトの朝の出来事が、旅館の満足度や記憶に大きく影響を与える、という理論です。

それだけ、朝食は顧客満足度に重要ということです。

そして、もう一つ、この見直された朝食の内容をしっかりとアピールして下さい。
予約サイトの内容に朝食のメニューの記載や写真の掲載、SNSでの発信を忘れないで下さい。

お酒メニューの多彩化

お酒のメニューを多彩化させることも大切です。

せっかく旅行に来たんだから、やっぱりお酒を飲みたいとお酒好きのお客様は思われます。

しかし、ここには明確な競合の存在がいることを忘れていけません。

それは、お客様の旅の道中で立ち寄ったお土産屋さんや近くのコンビニ、ドラッグストアなどです。
豊富なお酒が陳列されていて、おそらくこれを買って旅館の晩酌にしよう、と考えられているはずです。

では、旅館さんに勝ち目がないのでは?と思われるかもしれません。
やはり旅館さんなので、少しお酒も割高だし、、お客様もお酒を準備されていては、、と。

しかし、あきらめるのはまだ早いです。
ここで、豊富な地酒などで交戦します。

すると、お客様はどうでしょうか?

「あ、このお酒も買いたいと思ってたやつだ!」
「お土産屋で一升瓶で買うには高いし、何本も買っては重たいし、家族に怒られるし、、で断念したやつだ!」

と思うお客様がいるはずです。

そういったお客様のニーズに対しては、大いに応えることができ、購買につながります。

あとは、値段です。
日本酒は不思議なもので、高い=いいお酒で居酒屋でも高いお酒をついつい飲みたくなってしまいます。
そのため、グラデーションをつけてどれが良いお酒かお客様が分かるようにした方がいいかと思います。
また、お酒の味や風味をイメージできるように説明書きもあるといいです。
そして、ビールのようにお客様の中に大体の相場を把握しやすい飲み物はほどほどの料金設定にしておいても良いかと思います。

そして、最後にしっかりアピールですね。

間食やおつまみの検討

最後は、お客様が食事も終え、客室でくつろがれている時間帯でのサービス向上です。

くつろぎ方も様々ですが、お酒好きのお客様のニーズをしっかりと汲み取ってあげましょう。

おつまみメニューの検討です。

旅館で美味しいものを食べて、飲んで、部屋に戻ってもう一杯。

この時に、コンビニのスルメにお酒では、出張中に滞在するビジネスホテルでの体験と近しくなってしまいます。
ここではやっぱり、旅館さんの魅力を感じてもらいたいところです。

刻んだ奈良漬けがアクセントのカルパッチョ、旬野菜の浅漬けのミルフィーユなど、板場がいなくても冷蔵庫にストックしておいて、最後にパパっと中居さんが作れるメニューがいいです。

こういったメニューがあると、おそらくお客様はチェックインしてお部屋案内を見た時点で、夕食後の客室での過ごし方がイメージできて、客室での楽しみ増えていいと思いませんか?

そして、最後に、、、そうです、アピールです。

必要なIT化

では、収益改善のために必要最低限導入しておきたいITシステムをご紹介します。

コロナショックの影響を大きく受けている旅館さんが大胆なITの設備投資をすべきではなく、大胆に投資するのであれば、補助金を使って空調機器や換気扇、洗面所、お手洗いなどの設備に投資すべきです。

そのため、IT投資は最小限が良いです。
ただ、旅館さんの規模間やスタッフのデジタルスキルによっては一概に言えないところもありますので、うちはどうなんだろう?と悩まれましたら、お問い合わせいただきましたらご助言させていただきます。

SNS/特にinstagram(インスタグラム)

やはりSNSは欠かせません。

無料で出来るのもいいところです。

LINEを使われたことがあるのであれば、問題なく使えるアプリかと思います。

例えば、おつまみメニューを写真に撮り、「秋のおつまみメニュー、イカとシイタケのゆずみそ和えです。晩酌にどうぞ。#旅館名#おつまみ」と入力して送信するだけです。

近年は、このインスタグラムで写真を見て、行ってみたい旅館として保存しておくユーザーが一定数います。

慣れてくれば投稿数を増やしていきましょう。

また、会食を提供されている旅館さんであれば、このインスタグラムが営業効果を生んでもくれますので、是非ご活用下さい。

サイトコントローラー

サイトコントローラーは予約サイトからの予約を自動で集約してくれるシステムです。

在庫管理に便利でダブルブッキングの防止や、予約サイトへの領域んのグラデーションも反映させたりできるので、業務が楽になり、客室稼働率の分析にもつながるので、お勧めです。

ただ、電話や公式HPからの予約については、自動ではなく直接入力が必要なので、ご注意ください。
また、宿泊に加えて、会食を提供されている旅館さんであれば、サイトコントローラーを少し変則的に使わないと管理できないので、その場合は業者さんへ必ず確認した方が良いです。
メーカーによっては、できない、お勧めしない、という所もあります。

そして、サイトコントローラーとごっちゃになってしまうものとして、旅館管理システム(PMS)があります。
これは、予約管理や顧客監理、在庫管理、材料管理、清掃管理、売上管理など旅館業の様々な業務をIT化することができます。

しかし、かなり高度で、組織的に運用しなければ宝の持ち腐れになります。

売上が完全に回復し、収益が改善され、業務やスタッフにも余裕が出てきたら検討すると良いと思います。

また、このPMSの予約管理といっても、必ずサイトコントローラー連携が必須となります。

つまり、サイトコントローラーは遅かれ早かれあった方が良い、という結論になります。

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございます。

これらはあくまでも例であって、その旅館さんの特色や強み、運営実態に合わせた最適な対策があります。

また、システムの部分でこれを導入した方が良い、使った方が良い、と記載しましたが、私はどこかのシステム会社の者でも、営業代行の者でもありませんので、その点ご安心いただければと思います。

過去にいくつもの旅館さんをご支援させていただいた経験から、そのノウハウをお伝えいたしています。

そして有難くも、少しでも前向きに変化しよう!と思っていただけたり、既に変えようとしている中で、この取り組みもやってみよう!と思っていただけると嬉しい限りです。

もし、悩まれたり、遠回りや失敗はしたくない、という旅館さんがいましたら、ご遠慮なくお問い合わせいただければと思います。

~変化に挑むパートナーdarwin~

青木 慎介

darwin/代表、株式会社三光電氣/経営企画室/室長。 鳥取大学医学部卒業、鳥取大学大学院医学修士課程修了、名古屋商科大学大学院経営学修士課程修了。 中小企業向けのコンサルティング会社を経て、2019年darwin創業。経営者の「変化したい」の想いに応えるため、アドバイザー/実行支援者として変化に直接的に関与。歴史ある中小企業や老舗旅館、建設会社などの支援を多く手掛ける中で、その企業の背丈にあった適切な変化を促し持続可能性と成長力を高めるノウハウと実績あり。

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