『株式投資は博打だ!』
こう考える中小企業の経営者にとって、今回のジャーナルが一つのきっかけになればと思う。
先に結論から伝えると、株式投資は非常に有効な資金繰りの手法だ。
それを証明するように、私の顧客で戦略的株式投資により、経営メリットを得た企業はいくつもある。
- コロナ危機による影響で赤字化するところを黒字化した企業
- 資金繰りの厳しい期に1900万円の現金調達した企業
- コロナ危機時に現金化し攻めの設備投資へ転換した企業
ピンチこそ投資
『ピンチはチャンス!』
まさしくその通りであり、ピンチな状況をうまく利用し企業の底力に変えていく手腕が経営者には求められる。
チャンスへの転換として、真っ先に何が頭に浮かぶだろうか。
- 組織の団結力向上
- 補助金等を活用した設備投資
- M&A
- 有利な人材の獲得
- 好条件な融資 など
そして、この中に『株式投資』の選択肢を入れておきたい。
もちろん、株式投資を第一に、とまでは言わない。
企業には企業なりの優先順位がある。
しかし、株式投資を必要選択肢として検討することがキャッシュの途切れない資金繰りを実現させる第一歩となりうる。
コロナ危機時はバーゲンセール状態
コロナ危機が起きた2020年2月から3月にかけて、株式市場は大バーゲンセール状態だった。
下のグラフは米国の各業種の主要上場企業500社の銘柄だけを集めた株価指標だ。
このように、2020年3月23日の最安値2,237.40から2020年8月時点ではコロナ危機前の約3,380に回復し、今では3,609.53にまで上昇していることが分かる。
もちろん、企業(購入する株)によってはコロナ後も株価が回復していないものや、さらに落ち込んでいるものもある。
しかし、ある程度の予測はできる。
例えば、
- コロナ危機は全世界的な感染症が原因なため航空業界の回復は怪しい
- テレワークなどITを活用した商習慣が主となるためIT株の回復は早い
- 在宅勤務など家での生活の質の向上に関わる株の回復は早い
などである。
とはいえ、増えるか減るか不透明な株式に大きな資金を投資することには変わりはない。
間違えても勘に頼って株式投資してはいけない。
たまたまCMで観て伸びそうな企業だと感じた、というのも勘に入る。
では、どのような株式投資がリスクを抑えることにつながるのだろうか。
株式投資のリスクヘッジ
専門家から情報収集
株式投資を抑えるために、専門家から情報収集することは必須だ。
専門家でなくても株式に詳しい人物ならそれでよい。
彼らは、日常的に株価の動きに影響を与えるような情報をチェックし、株価の動きもチェックしている。
また、今の情勢で上昇傾向にある業界、その中でも力ある企業は頭に入っているし、主要な企業の決算情報も確認している。
ただし、彼らの意見を鵜呑みにしてはいけない。
株式は未来の企業価値の話であり、100%が存在しないからだ。
そして、最終的に決断するのは経営者であるあなただからだ。
取引先の動向
最終的に決断するのは経営者であるあなた、と言ったように、自分がある程度の自信を持って投資できる企業を選択しなければならない。
そこで、信頼できる企業として、取引先を見ることも一つの手だ。
株価は期待される企業価値だ。
より多くの投資家に期待されているからこそ企業価値が上がり株価も上がる。
だからこそ、あなたの身近な取引先のうち、信頼できる、成長を期待できる企業を選ぶことは有効な手となる。
当然のことながら、その企業について専門家の意見を仰ぐことも必須だ。
その上で、投資するかを検討しなければならない。
株価は未来の推測を織り込む
株式投資の上で、次のことは絶対に忘れてはならない。
『公開されている全ての情報や予測は株価に反映されている』
今回のコロナ危機を例に説明しよう。
新型コロナウイルスが発覚当初は、どれだけの影響が予測されるか不透明な状況だった。
中国の武漢で急速に拡大したものの、日本が観光船を停留させたように水際作戦で抑えられるかもしれない、という推測もあった。
しかし、そ新型コロナウイルスは瞬く間に全世界へ広まっていった。
そして、2020年3月11日にWHOがパンデミック宣言をした。
その後、新型コロナウイルスのその特徴が徐々に解明され、全世界がその脅威を認識した。
多くの人々はそのあまりの脅威にまだまだ影響が出ると考え感染防止の対策を強めたが、
株式市場は2020年3月24日から回復を始めた。
つまり、新型コロナウイルスの全容が明らかとなり将来与える影響が推測できるようになったため、
同時に企業の回復する未来においても推測が可能となり、株価が回復に向かっていったのだ。
このようにして、株価は将来の企業の価値を織り込んでいく。
そして、反対も然りである。
仮想通貨で失敗した人の中には、周りの過熱に便乗し期待し購入した人が大多数だ。
失敗は、その大多数の期待が既に当時の株価に反映されていたということだ。
戦略的株式投資
では、以下に戦略的に株式投資するかだ。
コロナ危機のような状況にまた陥ることはないだろうし、そうならないでほしいとも思う。
ただ、ビジネスは常に競争状態にあり、そこには業界の波や企業の波は必ず存在する。
同時に、あなたが経営する企業もまた波に揺られている。
だからこそ、企業が利益を多く得ることのできるタイミングで、これから伸びていきそうな企業の株を持っておく。
いつ買うのか、何を買うのか、は比較的シンプルだ。
あとは、いつ売るのかだ。
プラスになる株もあれば、マイナスになる株価もあるだろう。
しかし、株を売却する最高のタイミングは過去しか分からない。
それであれば、企業の財務状況に応じて最適なタイミングで株を売ることが企業にとって最高タイミングなのだ。
- 益となる株が赤字を助ける手となる
- 益となる株が企業成長に繋がる資金調達の手となる
- 損となる株が節税対策の手となる
- 損となる株が急場しのぎのキャッシュとなる
このように、株の売り方次第では株は企業に(少なからず)メリットをもたらしてくれる。
専門家や信頼できる取引先、最低限の株の知識があれば、良い株を購入することができる。
残るはそれら株をいつ売るか、それが戦略的株式投資なのだ。
是非、このジャーナルを読み戦略的株式投資に興味を持っていただいたのであれば、できる範囲からでも行動に移してほしい。
変化に挑むパートナーdarwin